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医師の退職金はどう決まる?転職前に規程と税金の扱いを確認

「医師の退職金」「規程・確認の方法・税金の扱い」の文字と、封筒と書類を表す図。

先に、答え。

医師の退職金は、勤務先が退職手当の定めをしているかどうかと、その規程の計算方法で決まります。

転職を考えたら、対象になる勤務形態・計算の方法・支払の時期を規程で確かめ、受け取るときの税金の扱いも分けて確認しましょう。

退職金の規程と勤務条件を分けて、相談先に確認する

この記事の目次
  1. 医師の退職金は勤務先の規程で決まる
  2. 医師の退職金で就業規則・規程から読み取る項目
  3. 医師の退職金を内定前に確認する方法
  4. 医師の退職金にかかる税金(退職所得)の計算
  5. 医師の退職金を転職の判断にどう入れる?
  6. 医師の退職金についてよくある質問

医師の退職金は勤務先の規程で決まる

労働基準法第89条は、常時10人以上の労働者を使用する使用者に就業規則の作成と届出を求めています。その記載事項の第3号の2は「退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項」です。条文は「定めをする場合」と書かれており、退職金の有無と中身は、勤務先ごとの就業規則や退職金規程を見て確かめるものです。

確認するもの書かれていること医師が見る点
就業規則(労働基準法第89条)退職手当の定めをする場合、その範囲・計算・支払の時期退職手当の項目があるか、別の規程を参照しているか
退職金規程(就業規則の一部として別に定める場合)対象者、計算の式、勤続年数の数え方など自分の勤務形態と勤続年数がどこに当たるか
労働条件の明示(労働基準法施行規則第5条)退職手当の定めがある場合の範囲・計算・支払の時期内定時に受け取る書面や説明に含まれているか

同じ病院の中でも、常勤と非常勤、期間の定めのある契約とない契約で、退職金の対象が分かれていることがあります。求人票の「退職金あり」という一言だけで、自分の契約が対象かは判断できません。

医師の退職金で就業規則・規程から読み取る項目

第89条第3号の2に挙がる事項を4つに分けて読むと、規程の中で見落としやすい点が整理できます。

規程の項目(第89条第3号の2)読み取ること確認の質問
適用される労働者の範囲常勤・非常勤、有期契約、嘱託などのどれが対象か自分の雇用区分は退職金の対象に入るか
退職手当の決定・計算の方法計算の基礎になる額、勤続年数の数え方、退職の理由による違い計算の基礎は基本給か、医師手当などは含まれるか
支払の方法一時金か、年金の形を含むか、振込か全額を一時金で受け取るのか
支払の時期退職から何日・何か月後に支払うか退職日から支払日までの期間はどれくらいか

計算の方法は勤務先ごとに異なるため、この記事では金額の目安は示しません。勤続年数の数え方(入職月から数えるか、試用期間を含むか)や、自己都合の退職と定年などの退職で計算が変わるかどうかは、規程の条文で確かめます。

医師の退職金を内定前に確認する方法

労働基準法施行規則第5条第1項第4号の2は、労働契約を結ぶときに明示する労働条件として「退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項」を挙げています。ただし同項のただし書きで、使用者がこれに関する定めをしない場合は、この限りでないとされています。

同条第3項は、書面の交付などで明示する事項を第1項第1号から第4号まで(昇給に関する事項を除く)としています。第4号の2の退職手当はこの範囲に入っていないため、口頭の説明だけで済まされることもありえます。比べる材料として残すために、規程の該当部分の写しや書面での回答を頼んでおくと安心です。

確認の場面聞くこと残す形
応募・面接の段階退職金の制度があるか、自分の雇用区分が対象か回答した人と日付のメモ
内定の段階計算の基礎、勤続年数の数え方、支払の時期規程の写し、または書面での回答
今の勤務先を辞める前今の勤務先で受け取れる見込みと支払の時期今の勤務先の規程の該当部分

今の勤務先の退職金は、退職の日付によって勤続年数の数え方が変わる場合があります。退職の時期を決める前に、今の勤務先の規程も読んでおきます。退職の手続全体は医師の退職の進め方にまとめています。

医師の退職金にかかる税金(退職所得)の計算

国税庁のタックスアンサー「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」(令和8年4月1日現在法令等)では、退職金は原則として他の所得と分けて税額を計算するとしています。退職所得の金額は「(収入金額 − 退職所得控除額)× 1/2」です。

勤続年数退職所得控除額補足
20年以下40万円 × 勤続年数80万円に満たない場合は80万円
20年超800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)勤続30年の例では1,500万円
1年未満の端数1年に切り上げて数える例: 10年2か月は11年として計算

勤続年数が短い場合の例外もあります。役員等以外で勤続5年以下の人が受け取る退職金(短期退職手当等)は、控除後の額のうち300万円を超える部分には1/2の計算が適用されません。医局の人事などで数年ごとに勤務先が変わる医師は、勤続年数がこの例外に当たるかを確認しておきます。

手続の状況源泉徴収の扱い確定申告
「退職所得の受給に関する申告書」を提出した支払者が税額を計算して源泉徴収する原則として不要(医療費控除などを受ける場合は退職所得も記載)
申告書を提出していない支払金額の20.42%が源泉徴収される確定申告で精算する

退職所得の扱いは税制改正で変わることがあります。自分の金額で税額を確かめるときは、受け取る年の国税庁の案内か、税務署・税理士に確認してください。

医師の退職金を転職の判断にどう入れる?

退職金は、毎月の給与や賞与とは別に、規程と勤続年数で決まるお金です。次の転職先を比べるときも、提示された年収に退職金が含まれているのか、別に支払われるのかを分けて書き出します。

  • 今の勤務先の規程で、退職の時期によって勤続年数の数え方が変わるか
  • 次の勤務先の規程で、自分の雇用区分(常勤・非常勤・有期契約)が対象になるか
  • 計算の基礎になる額に、医師手当などの手当が含まれるか
  • 支払の時期は退職日からどれくらい後か
  • 勤続年数が5年以下になる場合、税金の計算の例外に当たるか

勤務条件の書面の読み方は医師の労働条件通知書で確認することも参考にしてください。

医師の退職金についてよくある質問

求人票に「退職金あり」と書いてあれば、非常勤でも受け取れますか?

求人票の表記だけでは分かりません。労働基準法第89条は、退職手当の定めをする場合に「適用される労働者の範囲」を就業規則に書くこととしています。自分の雇用区分が対象かを、規程か書面で確認します。

退職金の説明は書面でもらえますか?

労働基準法施行規則第5条第3項で書面の交付などが求められる事項に、退職手当は含まれていません。比べるための記録として、規程の該当部分の写しか書面での回答を頼むとよいでしょう。

退職金にかかる税金はどこで確認できますか?

国税庁のタックスアンサー「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」に、退職所得控除額の計算と課税の方法が載っています。自分の金額での計算は、税務署や税理士に相談してください。

出典の確認日:2026年11月1日。確認の質問と表は編集部が作成しました。

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医師のしごと選び 編集部

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更新日:2026-11-02 · 編集方針